大工の家に嫁いで良かったこと

この投稿は、情報発信の稽古場「ASURA Workout」で出された“今の仕事をしていて良かったこと”というテーマに沿って書かれたものです。

このブログは大工の嫁(以下私)が書いています。文法的には「大工の妻」が適切なのですが、妻という言葉がどうもしっくり来ないのであえて「大工の嫁」と表現しています。
前置きはさておいて、私は結婚を機にOLから専従者になりました。専従者とは個人事業主の家族従業員のようなものです。
おもな仕事は大工のサポートで、経理全般、そしてこのブログやインスタグラムによる情報発信など。仕事といってもOL時代のように毎月決まった日にお給料がもらえるわけではありません。もちろんボーナスもありません。それでもOLでは味わえない経験をさせてもらえていることがお金に換えがたく、私の性分には合あっているように感じています。
具体的に良かった点を挙げると・・・
○基本自宅作業なので自分の自由にできる。

○地域のコミュニティーサークルやSNSやwebを通じて交際範囲が広がる。

○専業主婦では味わえない経験(良いこともちょっとしんどいことも)ができる。

○確定申告をすることにより多少は経理のことがわかるようになった。

○ExcelやWordを使えるようになった。

そもそも、私は13年前になりますが今住んでいる自宅を新築するときにブログを自分の記録として始めました。家を建てるにあたりいろんな情報をネットで調べていくうちにブログの存在を知りました。当時、すでに新築ブログというものがたくさんありましたので、それを参考にさせてもらったりコメントのやり取りがきっかけで今もおつきあいが続いている方がいたりします。ネットを通じてのおつきあいは、私にとってはママ友やご近所さんとのおつきあいと同じです。世の中にたくさんのwebサイトがある中「主人の仕事を発信していかなければ、この先お付き合いが減るどころか、その機会すらなくなってしまうんじゃ…」と案じていました。大工の仕事自体、20年以上前の結婚当初からすると随分と内容が変わっています。取引先の工務店さんからの新築一棟請負が多かったのが、数年前からは新築がほとんどなくリフォームの仕事が中心です。さらに現在は、大手不動産会社リフォーム部門のクレーム処理専属大工としての仕事が大半です。
あなたは、新築やリフォームを検討しだしたとき、まずは何をされるでしょうか?スマホでの情報収集が珍しくはない現代では、うちのような親方1人でやっている大工が何の情報発信もしていなければ、世の中に存在していないのと同じようなものではないでしょうか。現に大半のお客様は「街の大工さんって一体どこにいるのだろう」と思ってくださっているようです。
少し裏側の話になりますが、大工を社員としてかかえているハウスメーカーや工務店は多くありません。お客様の住まいの工事を手掛ける大工のほとんどは、主人のような個人事業主なのです。会社の専属かどうかは別として、実際に工事するのは下請けの大工さんや職人さんなのです。いくら大手の工務店が保証付きとうたっていても仕事の良し悪しは実際に工事をする大工さんの技術に左右されます。施主さんがその大工を指名することはハウスメーカーや大手の工務店では無理ですよね。個人的に知っているとか口コミで紹介してもらうとかなら別ですが。
そういえば私の実家は、地元の大工さんに建ててもらったそうです。昔はそうやって近所の家の造りを熟知している「街の大工さん」が何かあってもすぐに対応していたのだと思います。話は脱線しますが、その実家をリフォームすることになったとき、母の意向で建ててくれた大工さんには頼まずに別のリフォーム会社に工事をお願いしました。その半年後に阪神淡路大震災が起こり全壊したのですが、震災後すぐにその街の大工さんが見に来てくれたようです。我が家以外その大工さんが建てられたお宅は無事でした。この続きをここでは控えますが、話を元に戻すと、そうやって自分がかかわった家のことをちゃんと責任もって見てくださる「街の大工さん」が今は少なくなっている、もっと言えば大工という職人自体が少なくなっているということです。だからその貴重な職人の一人として主人が少しでもお家のことで困っておられる方々のお役に立てるよう「こんな大工さんがここにいますよ」「こんな大工さんですが、頼りにしてもらえるなら馳せ参じますよ」と世の中に発信していこうと思ったのです。そのツールとしてwebサイトやブログ、インスタグラムを使おうと始めました。
もともと10年以上前から日記代わりのブログを書いていたのでネット環境に身を置くことには慣れている私。Twitterやインスタグラムも5年以上前から個人的趣味の範囲ですが続けています。それを主人の仕事として発信してくのは全く気になりませんし、楽しくやっていけそうだとは思っています。でも仕事となると、個人の趣味の範囲でupしていくようなわけにはいかないですよね。それでも細々とでも続けていくことで誰かに見つけてもらえると信じて続けていきたいと思っています。

自宅棟上げ

また私は新卒で働いていた会社でSE(システムエンジニア)の卵をしていたのでプログラミングの経験があります。30年前のまだPCがパソコンとは言わずオフコンと呼ばれていた、Windowsが世に出ていなかった時代でしたので、ExcelやWordも結婚してから触るようになりました。キーボード操作は慣れてはいましたがWordではなくワープロ世代。結婚当初は見積書や請求書もワープロで作っていました。確定申告のための経費の計算も手書きのノートの数字を電卓で計算して何回も検算するのにそのたびに答えが違ってイライラするという負のスパイラルを何年も続けていました。いい加減Excelを使えるようになりたいと思い、商工会議所主催のExcel講座に通うことにしました。それが15年くらい前でしょうか。とてもわかりやすく教えて頂けたのと、もともと作表プログラムを作る側の仕事をしていたので、なんなく表が作れて計算まであっという間にできてしまうExcelを作った人はすごーいと心底尊敬しました。Excelを習得できた私の経理の仕事は格段に速くなり、書類の整理もはるかに楽になりました。主婦になってから事務スキルを習得するのは必要に迫られなければできないと思いますが、私はその経験から派遣でデータ入力の仕事をしていた時期もありました。

ワカバヤシ工務店のWebサイトを昨年から世の中に出していますが、作成運営に関してお世話になっている方との出会いも地域のコミュニティーサークルがきっかけです。今は不定期開催ですが数年前に約1年間開催されていた「春日野道経済大学」という面白い講座(なんというのがふさわしいのかわかりませんが)があって、そこで出会った方の一部とは今もお付き合いがあります。公私ともにお世話になっている方もいます。

つらつらと書きましたが、私は主人の仕事を通じて自分の個性をいい方に活かす機会をいただいていると思います。少なくとも私は色んなことを楽しんでやれているので、間違いなくマイナスよりプラスが多いです。そこで得た経験を糧に様々な人や物事に取り組み、またそこから学び、さらに人としての幅を広げていけたらといいなと考えています。前回の投稿「私にとって美味しいパンが彼女にとって美味しいとは限らない。」にも通じることだと思います。

「喜べば 喜びごとが 喜んで 喜び集めて 喜びに来る」どこで聞いた言葉かは忘れましたが、これに尽きるかなと。

 

 
旧ブログはこちら→大工の家から

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2 thoughts on “大工の家に嫁いで良かったこと

  1. はじめまして。長野県で主人家族と工務店を経営しています。大工の嫁です。
    『家族経営』『大工』『嫁』で検索していたらこのブログにたどり着きました。
    21歳で結婚して子供の手が離れるようになった昨年から、義母から少しずつ事務仕事を引継いでいるところです。
    私にはなにが出来るだろうと悶々としていた中で、同じ境遇の奥様方は、どんな考えや経緯や環境で働いているのか気になって検索していました。
    結果、Yahoo!知恵袋の悩み相談やブログなどで
    割り切って別の会社で仕事をしている方、家族経営の中アウェイな空気を感じつつ日々耐えて働いている方、そして若林さんの様に旦那様の横でライフワークとしてしっかりサポートされてる方、など色々な方々のお話をお読みました。
    子どもが三人いるので私が外で働いて収入を増やした方が先のことを考えれば現実的だと思うのですが、あと数年で経営者として義父から完全に世代交代する主人を、出来ることなら全力でサポートしていきたいと考えていたので、この記事は特に私にとっては希望そのものでこらからの指針になりました。大袈裟かもしれませんが。
    現在私の仕事といえば、月々の支払、HP、SNSの更新、顧客管理のシステム化、アフターフォローの定着化、、、など現場と経営仕事を担っている主人では頭が回らないところを開拓しフォローしていければと日々手探り状態ですが、動いています。

    義父、義母、叔父、主人、義弟、私、という完全な家族経営で中々難しい部分も多いですが、若林さんの様に自分の視野を広げられるチャンスだと思ってポジティブに模索してければと思いました。
    同業者として同じ支える妻という立場として、これからもブログ楽しみにしています。
    突然の長文乱文失礼しました。

    ブログを付ける

    1. クボタアヤさま。嬉しいコメントありがとうございました。同じ工務店の嫁として、気持ちを共有できることはとても励みになります。これからもどうぞよろしくお願いします。

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